超高齢の男性が腰痛で救急要請し、朝当院に搬送されました。例のごとく私が救急車担当医だったので対応しました。日勤帯にもう入った時間で非常にbusyであり精査は不可能でしたので、腰椎骨盤のCTだけ評価したところ問題ありませんでした。しかし痛くて帰れないと訴えられるので入院しました。特に加療目的ではない避難入院なので、他科にお願いすることはできずそのまま私が担当です。

MRIでも器質的異常はなく、腰痛はあるものの体動も支障はありませんでした。しかしリハビリ担当者、病棟看護師の評価ではもともと高齢による廃用もあり、ふらついて易転倒性であり自宅生活は不可能であろうとの見立てでした。療養型病院に転院した後の施設入所をお勧めすることになりました。ご本人も希望されました。

アルコール依存症の娘、超高齢の妻とと3人暮らしで、ご家族に病状報告しようと連絡しました。ところが病院には来れないからすぐに退院させて着払いでタクシーに載せてくれと。事情がわからず仕方なく電話で病状説明すると、いいから早く退院させてくれ、仮病だから、の一点張りで話が通じず。最終的にはじゃあ連れて帰ったら退院させてくれるんですね!!必要ないのに入院させて迷惑なんですけど!と軽く罵倒されながら迎えに来て頂くことに(来れるなら最初から来てよ、、)。

本人に聞いてみると、昔暴力を働いたせいで、今自宅で暴力を受けているから帰りたくないと。ご家族、ご本人の訴えが食い違ってわけがわかりませんでした。私に外来や手術がなければじっくり間に入って問題の解決策を講じるのですが、専門外の仕事をする余裕は全くありません。
後は行政と、病棟と、本人家族に任せるしかありません。

その後病棟看護師、行政が親身に本人と家族の間に入り、
〝昨日酔った娘に蹴られて、外に出されて一晩外で過ごして寒かった。娘はご飯はくれるけど、酔って暴力を振るう。暖かい部屋で死ぬまで平穏に暮らせたら他に何もいらない。″という本人の談が概ね真実であることをつきとめたそうです。

もう妻にも娘にも会わなくていいか?自分で別れを告げられるか?との問いに決心した本人。涙ながらに今までありがとう、もう生涯連絡をとらないと本人が妻・娘に電話をした時点で本人を隔離し、一切妻・娘に連絡が入らないまま療養型病院→施設の道筋ができました。最良の落としどころかどうかはわかりませんが、今日から本人が安眠できることは間違いありません。やるな、病棟、やるな、行政!

というか私は脊髄外科医なのですが、、