学会で発表したり論文を書いたりする時、臨床で何か疑問にぶつかった時などに文献を検索します(正直後者は殆どなかったですが汗)。その時はキーワードを考えてPubMedでTitle/Abstractを検索するのが一般的かと思います。同じ物を表す言葉が複数あることも多く、調べ漏らしがないかヒヤヒヤする経験は誰しもが持っていると思います。

ところでいざ検索してみると、検索に使った言葉が含まれていなさそうな論文も結構Hitしていることありませんか?それは気のせいではなくて、MeSHタームのおかげなのです。

MeSHタームとは、これについてはこう呼びましょう!とPubMedを運営しているアメリカ国立医学図書館(NLM)が決めている共通語です。そして、PubMedに収載される論文が出版された時には、職員がその論文をcheckして、その論文を表す適切なMeSHを10個くらい付与して管理するのです。最近まで知りませんでしたけど、すごい労力を払って載せてくれてるんですね、、

MeSHタームのほかにEntryタームというのもあります。Entryタームは"この単語はMeSHに直したらこれだよ”と定められた単語で、検索でEntryタームを入れると自動的にMeSHタームまで検索されます(この辺から誤解があったらすいません汗)。

例えば腰椎椎間板ヘルニアのMeSHって何かな?と思ったときにどうするか。Herniated diskって単語が思いついたとしたら、それをPubMedでMeSH検索します。手順は簡単で、検索欄に単語を入力して、その左をMeSHに変更して検索するだけです。
MeSH

するとIntervertebral Disc DisplacementというMeSHで返してくれます。なぜならHerniated diskはEntryタームだからです。
MeSH2


ちなみにコレに関してはEntryタームは30個以上ありました。diskもdiscもあるんですね。英語圏によっても違うのかな。しかも驚いたのは一番馴染みがありそうな(私だけ?)Disc HerniationがEntryタームにすら入っていないことです。試しにDisc Herniationで検索するとHitは5000件ほど。一方MeSHであるIntervertebral Disc Displacementで検索すると1万7000件ほど。重大な調べ漏れが生じてしまいますね。怖っ!

というわけで、何か調べものをしたい場合は先ず必要なMeSHを調べてMeSHを軸に検索しなければなりません。ただMeSHタームは全て正確に割り振られているかというと、星の数ほどある論文を人の手で割り振っているので決してそうではないようです。MeSHの検索だけでは不十分なので、漏らさず調べるためには更に方法があります。こちらは近日中に、、

日本語からMeSHタームやEntlyタームにどうしてもつながらない!場合にも簡単な方法があります。こちらも必ず近日中に、、

ちなみに日本語データベースである医中誌では”シソーラス”が共通語になります。なかなか普通に臨床医してて知る機会ないですよね。