論文は誰に読んでもらうために書くのでしょうか。医療従事者、一般人や政策決定者などなどがぱっと思い浮かびます。ところが、現実的に想定すべき読者は「editor」だそうです(reviewerですらない)。何はともあれpublishされないと発信できないので、意識すべきはeditorだと。

editorにはざっくり以下3タイプがあるそうです。

 ① IF15の雑誌のeditor(それで生計たてる本職)
 ② IF7の雑誌のeditor    (本職ではないが真面目)
 ③ IF3の雑誌のeditor  (片手間)

Editorの使命はいくつかあって、主なものには「雑誌のIFを上げる」「その分野を牽引する」「お金を集める」などがあります。先述の①②③によってその使命に対する責任感が違っていて、とくに①と対峙する場合は、相手も本気なので立案段階で「こんな感じで研究したいんだけど、あなたの雑誌でチャンスはありますか?」と編集部に相談したりすることすらあるそう。そう考えると、NEJMの編集部はハーバード大の中にありますし、Lancetの編集部はエルゼビア社の中にあるので、地の利が相当ありますね。そして採択の是非を決めるのはあくまでeditorであると。一方③を相手にする場合は、editorは(面倒なので)reviewerの評価で採択の可否を決めるため、あまりeditorを意識する必要はないそうです。

というわけで、いい雑誌への採択の一番の近道は、自分の論文を買ってくれるeditorに向けて投稿することだそうです。当然研究/論文の質がある程度以上あることが大前提ですが、いい雑誌を目指すほど、その雑誌のeditorが何を求めているかを意識する、すなわちAim and Scopeは何か、近年どういう論文を採択しているかなどをよく調べることが重要になると。いい雑誌目指すのは大変…

まぁ私の場合は興味があるのが脊椎外科領域で、IFは最高でも5ないくらい(先述の基準でいえば③?扱い的には②か)なのであんまりeditorを意識する意味はないのかな。