COVID-19、まさかここまで大事になるとは。「どうせインフルエンザと大差ないでしょ」とタカをくくっていた自分が恥ずかしい。こんな時こそ日常診療、日常研究を!と思い日々過ごしていましたが、出身母体や、お仲間の病院に複数感染者がでて、完全に対岸の火事ではない状況。今更ながら情報収集せざるを得ません。まず最初に知りたいのは「PCRはどのくらい信頼できるのか?」です。以下社会健康医学を3年間かじっただけの、とくに優秀でもないアラフォーの覚書ですので読み飛ばしていただければ。

【PCRの性能について】
まずPCRの性能についてざっとPubMedで検索しますが、これだ!という報告みつけれず。仕方なくGoogleを渉猟して情報収集すると、感度は30~70%、特異度は99%以上との報告がチラホラ。

感度高 →偽陰性少 →スクリーニングに有用
特異度高 →偽陽性少 →確定診断に有用

ですから、PCRは確定診断にはよいけど、偽陰性はそれなりに居そうということでしょうか。ただでた結果をどの程度信じていいか(的中率)?についてはもうちょっと精確に知りたいところ。

【判定結果の解釈】
的中率(陽性の場合にほんとにクロ:陽性的中率、陰性の場合にほんとにシロ:陰性的中率)は、実は検査の性能だけでは決まらず、検査をする対象の有病割合(事前確率)で変動します。すなわち、どういう対象に検査をするか?で的中率はかわるのです。事後オッズは事前オッズに尤度比をかけて…というややこしい説明はさておき、00alphaさんの作品に数字入れれば計算してくれます。特異度を99.9%固定で、感度と有病割合を動かした結果を表にしてみます。
PCRバイアス解析

1000人の施設に50人感染者がいて感染リスクが等しい場合(有病割合5%)、ある人がPCRを受けて、かえってきた結果の信頼度は表の下から2番目になります。「感度低い」「偽陰性多い」とかいろいろ騒がれているようですが、全然信頼できそうじゃん!あくまで特異度99.9%にしましたが、これが99.99%だとさらに性能あがりますし。誰が、どう検査するかとかで感度/特異度も動くでしょうけど、いい検査ですよね。濃厚接触者とか、症状あるとか、リスク高い人に限定すると表の最上段とかが近くなるかも。そうすると「陽性だとまずクロ」「陰性でもあやしい」という解釈でしょうか。

【コメント】
というわけで、超無責任にまとめますと、
・一般集団でのスクリーニングには適さず
・クラスターでのスクリーニングには強力
・怪しい人(集団)には複数回の検査が必要、なのでCTや所見との組み合わせも重要
といった感じでしょうか。