二択で迷ったらアグレッシブな方を選べ

本ブログのコンセプトは 「外科系臨床医に臨床研究について知ってもらう」です。自分で勉強したことを備忘録として気ままに書いていますので、情報の真偽については責任を負いかねます。また専門性が高い方にとっては内容が浅い点、分量が多くて読み辛い点もご了承くださいませ。

カテゴリ:臨床研究 > お役立ち資料

僭越ながら、学会調査をやってみるか?とお声がけいただき準備しております。私が学会員の方々のメアドを取得することは不可能なので、学会本部からメーリングリストに一斉送信で回答フォームを送信していただかなければなりません。ただ、その際に各メールに固有情報(識別番号やお名前)を差し込みたく。その方法を調べたので備忘録的にまとめておきます。
*Office365 Windows版で、Outlookから送信することを想定

【一斉送信メールに固有情報を差し込む方法】
①Excelで「名前」「メールアドレス」「識別番号」のリストを作成(してもらう)
②Wordでメール文面を作成
➂「差し込み文章」タグをクリックする
④「宛先の選択」→「既存のリストを使用」→①のリストと該当sheetを選択
⑤文面中の差し込みたい部分にカーソルを合わせる
⑥「差し込みフィールドの挿入」→リストの「名前」などを選択→「挿入」
⑦「結果のプレビュー」で確認
⑧「完了と差し込み」→「電子メールメッセージの送信」
⑨「宛先」でExcelリストの「メールアドレス」を選択
⑩件名にメールタイトルを入力→OKを選択し送信

これで完了!の様子。相手によって文面が微妙にズレてしまったり、どう資料を添付するか、メール件名への差し込みはできないか、など改善点はありそうですがとりあえず何とかなりそうです。Officeすげぇ…
差し込みメール

やっぱりブログ再開前の大分旧い記事を未だに結構みていただいているようなので、最新の雑誌格付けをアップデートします。脊椎の臨床研究を載せてくれそうな雑誌を独断で選んで、SJR順に並べてIFつけて掲載。こうやって振り返ると、今回紹介しただけで28雑誌も!あります(多すぎ…)。脊椎関連でもaudienceが全人類かつ質が高い研究ならNEJM、Lancet、JAMA、BMJも夢ではないです。が、現実的なところでまずは整形全般の雑誌から。
整形外科系2019
まず最初に目指したいところはJBJS、BJJ、OAC、CORRですね。この4誌が私的には脊椎投稿先四大誌です。ダメなら次は以下脊椎専門誌かなぁ。
脊椎専門誌2019
四大誌ほど強い雑誌はないものの、歴史あるSpine、JNS-Spine中心にESJ、Spine Jあたりまでが脊椎専門誌のトップ誌ということでしょう。新興のGSJ(AOSpine機関誌)にIF2.7がついてるのが興味深いです。ASJはIFついてなかったっけ。ほかNeurospineやSSRRがSJR格付けに登場していました。SSRRの躍進に期待(じゃあ投稿しろよ!という声はさておき)。最後に神経外科系
神経外科系2019
NeurosurgeryやNeurosurgical Focusは結構強いですね。でも日本で脊椎やっている人には馴染みが低そうなので、ここ頑張るよりは脊椎専門誌の方がいいか。日本脳神経外科学会の機関誌(NMC)ってIF1.8もついているんですね~などという現実逃避はこのくらいにして、さぁ4本目の原著執筆開始です。目指せJBJS!って書き始めると宣言して何日経ったんだろう…時間が経つのは本当に早いです。

臨床と研究の二足の草鞋生活がはじまって1年4ヶ月、原著2本と共著(Cochrane以外)3本が投稿されました。その結果は0勝8敗…とくに、期待の課題論文が3reject1kickで5戦目(Spine)突入と迷子に。サッカーの本田が「ゴールなんてケチャップと一緒で出るときはドバドバ出る」と言っていたのを信じて、早くドバドバ出ないかなと思いつつ意気消沈気味のこの頃。こうなりゃシュート打ち続けるしかない!ということで、博士論文候補の3本目をようやくBone & Joint Journal(旧JBJS Br)に投稿しました。

これまで脊椎関連が載るTop専門誌はだいたい投稿したのでBJJで1周です(涙)。本音は本家JBJSにリベンジしたいのですが、投稿に250$かかるし、添付資料が尋常じゃなく多く面倒すぎるのでヤメ。じゃあBJJはどうかというと、超ラク!!でした。これでKickじゃなかったらもう好きになってしまいます。何故かというと、COIやCopy right formへの共著者のサインがacceptされるまで不要だからです。サインもメールcheckも不要なんて素晴らしすぎる。今後も(今回Kickされなければ)優先的に投稿すると思いますので、必要な項目をまとめておきます。

【準備するもの】
Title Page
Main Document
(Abstract, Main text, References, TablesまとめてWordでOK)
Figures
*AbstractにIntroのかわりにAimのみ、300単語まで
 - 3つまでTake home messageをつける
*Main Documentは 4000単語まで(Tablesは入れない?)
 - 数値の要約は平均値と範囲(もしくは中央値と四分位範囲)
*Figureは個別に投稿、legendsは投稿の際に入力
 - PDFで投稿すると完成PDFにlegendsがでないので、TIFFなどで準備

【特別に入力が必要な項目】
Key words
Cover letter
Bottom line clinical message (650 characters)
Figure/Tableの数
Main Documentの単語数

Cover letter
Authors (Name, E-mail Address...)
*著者の所属先はRinggoldに登録されているものじゃないと△

著者の所属先がRinggoldと完全にマッチしなかったりがちょっと面倒でしたが、これまで投稿した雑誌のなかでは一番やりやすかったです。不安なのはMain DocumentがTables除いて3999単語とギリギリだった点。もしTablesも入れるなら、相当削らないと投稿できません…でもそんなの無理。この辺はダメならまた指摘してもらえる!?

【コメント】
HPには年間2000件審査して、掲載は250件だよ!と書いてあるとおり狭き門。審査には6-8Wかかるともありますが、これまでJBJSが8W、OACやSpine Jが12Wかかったの考えると早い方でしょうか。今度こそ通りますように…さ、次は結果揃って久しい多施設予測モデルの執筆。JBJSにリベンジ?でも面倒だなぁ…(今回優しくしてもらえたら)BJJからでいいかも。

先日因果グラフ(DAG)の総説を読みました。以前は「十分調整できているか」をみるためだけにDAGを描いていたのですが、総説を読んで「変数が多すぎないか」も重要であることを(今更)知り、折角なので改めてDAGを描いて、過去に描いたものと比べてみることにしました。その際に、先日教室のミーティングで後輩が使っていたDagittyを思い出し、使ってみました。その感想は

 相当ラク!絶対使うべき

でした。もっと早くから使っておけばよかった…

Dagittyでは、画面に変数を作って、その変数を→で結んでいくだけです。例えば先日のDAG総説の実例も簡単に描けてしまいます。まず変数全部かいて→で結んでStep 2までいったDAGを。
調整前
この場合、ピンクの→が交絡パスで、これが残っているとバイアスが残っている(調整しきれていない)ということです。ここでZ1とZ2をブロックすると(変数選んでadjustを選ぶと簡単にブロックできます)、
調整後
このように、ピンクの→がすべて黒くなって、もう交絡パスが残っていないことがわかります。ここで、さらにZ3をブロックすると
過調整
またピンクの→が復活してしまって、Z3を調整することで逆にバイアス(colliderバイアス)が増えてしまったことがわかります。保存するときはR codeにして保存します。そしてまた続きをするときは、保存したR codeを貼って、再構成すればすぐできます。

まぁ、言ってもDAGを使うのは藪蛇かも。利用可能なエビデンスを全て利用できているか?変数は多すぎないか?少なすぎないか?→は全て描かれているか?…など、不確定要素も多く、主張できるのは「このDAGが適切な場合」に限られていることに注意が必要です。変に論文の付録にDAGつけて、どうだ!とやってしまうと、簡単にアラを指摘されて逆効果になることは目に見えています。でも、頭の中の整理にはすごく役立つので、覚えておいて損は絶対ないでしょう。臨床研究に疎いバリバリの臨床家が査読者についた場合は、煙に巻くのに使えるかもしれませんが…中国で流行ったらみんな付録につけてきそうで怖い…まぁ、それ以前に交絡調整すらしない観察研究が普通に採用されている現状をどうにかしないとですが。

悲しいことに、臨床復帰して最初に書いた論文が迷子です。JBJS、OAC、CORRがダメで、Spine Jに出していたのですが4ヶ月待ってreject…これまで8人の査読者がついて、方法論については及第点だったようですが、要因の誤分類や新規性などそもそも的なところでreject。整形外科系の雑誌にneedsはないのかもしれません涙それにしても結果返ってくるまでの期間が長すぎ…

査読コメント見直していて、副編集長から「この論文読んで変数選択の根拠について述べなさい」と因果グラフ(DAG)の使用を示唆されたので、この際読んでみます。BMC Medical Research Methodology(2018IF3.0)に2008年掲載の総説。実際DAGは描いていて、未測定交絡もDAGを元にlimitationに挙げてたんですけど…藪蛇なので本文には記載しませんでしたが。反論のchanceがないのが切ない…

Reducing bias through directed acyclic graphs

Background
・臨床研究でやりたいのは因果推論
 - 交絡調整が必要条件(十分条件ではない)
 - ふつう交絡変数を多変量モデルに入れて調整
 - 変数選択が不適切だと逆にバイアスがふえる
 - なので変数選択が適切か評価する必要あり
 - DAGを使う
・変数選択によるバイアス増減の評価法を紹介

The Pragmatic Solution
・このアルゴリズムは適切な変数選択が目的
 - 全てのバイアスを最小化する方法ではない
・複数の変数と因果関係がある変数は全て記載
 - 共通の原因を省略してはいけない

Step 1: 交絡変数(Zn)は曝露変数(X)の子孫にはならない
XからZnに→が向いてはいけない

Step 2: 以下を満たす変数を消す
 1) Xの非祖先
 2) アウトカム(O)の非祖先
 3) Znの非祖先

Step 3: Xから出る→を消す
見た目がスッキリする

Step4: 共通の子をもつ親を点線で結ぶ
親2人の子を調整すると、親同士に関連が発生
親2人の子はcolliderと呼ぶ

Step5: →から矢じりをとって直線にする
見た目がスッキリする

Step 6: Znからでる線を全て消す
=モデルにZnを入れてblockする

Interpretation
Step 6が終わってXとOが結ばれていなければOK
=Step 6でblockしたZnが適切だったと解釈

Discussionのまとめ
・blockするZnを追加し、XとOが結ばれる場合
 - 追加したZnによりcolliderバイアスが導入された
・step 6を繰り返して、XとOが離れている最適なモデルを探す
・DAGを使うと、調整する共変量が減らせるので検出力があがる
・同じ変数でも、時点によって関連性がかわる
 - 時点で別の変数にして調整する
 - と、結果がかわることもある
・DAGは利用可能な全てのエビデンスに基づくべき
 - 様々な専門家の様々な視点の導入が必要

【コメント】
以前Modern EpidemiologyでDAGの勉強をしたのですが、その簡単なまとめ的な論文でした。知識の整理は役立ちましたし、DAGの勉強を始める際に読むといいかもしれません。本文は図がたくさん載っていてわかりやすいです。「調整する変数多くすればいいというものではない」ことは改めて胸に刻んでおきます。というか、脊椎系の雑誌でDAG理解して使っている論文みたことないけど…そもそも交絡の調整も殆どされてないのにイジメ??

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