二択で迷ったらアグレッシブな方を選べ

本ブログのコンセプトは 「外科系臨床医に臨床研究について知ってもらう」です。自分で勉強したことを備忘録として気ままに書いていますので、情報の真偽については責任を負いかねます。また専門性が高い方にとっては内容が浅い点、分量が多くて読み辛い点もご了承くださいませ。

カテゴリ: 臨床研究

臨床研究を学び始めてもう5年目に突入し、ついに泣いても笑っても最終学年です。と思っているうちに、もう4月も中旬に…時間が経つのが早すぎてほんと息つく暇がありません。本来ならばもうインパクトのある雑誌に数本論文を出版して、世間に「研究デザイン学」の重要性をじゃんじゃん発信しているはず…が全然論文が通らず四苦八苦。そんな中でも、ようやくメインで書かせていただいた4号論文がSSRRにAcceptしていただけました。褌を締めなおす?意味もかねて現状を述べますと、

 1号 JBJS→OAC→CORR→Spine J→Spineにaccept
 2号 Spine→ESJ→GSJ→IAOEH→PLOSoneで査読中
 3号 BJJ→Spine J→Spine→JNS-Spine→ESJ→JAH→BMJOpenで準備中
 4号 ESJ→GSJ→SSRRにaccept
 5号 BJJで再投稿準備中
 6号 BJJ→Spine Jで査読中
 7号 執筆中
 8号 執筆中

で、2勝20敗で3戦進行中といったとこでしょうか?投稿先もよく考えないとダメだな~とは思うものの、投稿先も限られているので途方に暮れます。Spine系の雑誌は、どうしてもバリバリの外科医が審査の中心になるので、キチンと方法論を評価してもらえる査読者が少ないことはわかりました。ただ、メンター先生からは、査読者のレベルに合わせる必要はありませんと熱いお言葉をいただいたり…落としどころを模索中です…

まぁ、博士論文候補の5号がついにTop journalにワンチャンス引っかかったり、解析お手伝いした共著論文が3つ通ったり、ようやく少し結果もでてきました。今後もケチャップがドバドバ出るみたいにたて続けに通ったらいいなと祈りつつ、ほかに解析が終わっている研究が4つ、データ収集中の学会研究が1つあるので粛々と空き時間で前に進もうと思います。

4号論文は「非常に重要だけど検証が難しいテーマ」だったので、無い知恵絞ってITSを勉強して捻りだした感慨深い論文です。既存のデータセットを利用したので限界は多々ありましたが、そのなかでは大分頑張れたのではないかと思っています。また出版されたら紹介しましょ…いや、でも…

最近ただでさえキャパが低いところにお仕事引き受けすぎて、気を失いかけている間にもう4月が近づいて参りました。やればやるほど果てしない疫学の世界、臨床から離れて本来のコアバリューである「脊椎外科領域に研究デザイン学の普及」を見失わないようにしつつ、臨床も研究も前に進むしかありません。

という自己暗示はさておき、最近本当にあった怖い話を。

ハゲタカジャーナルはもう有名だと思うんですけど、知人が関わる研究で実害を受けたことを教えてもらいました。どうなったかというと

・著者が独断でハゲタカジャーナルに投稿
・著者から投稿報告を受け、共著者が確認しハゲタカジャーナルと看破
・即日投稿撤回の連絡したが音沙汰なし
・約10日で返事があり、もう査読開始したので〇〇万円払え!!

ほんまにあるんや...こわすぎる…

なんでハゲタカにやられちゃったのかといいますと
・雑誌の名前が格好いい
・IF高め

だからとの事。でもこのIFが曲者で、偽物だったようです。本来IFはWeb of Scienceでの被引用数を基に計算されるもの。でもGoogle Scholarなど、他のレジストリでの被引用数で計算するなんちゃってIFが載せられているそうです。私も最近Google Scholarに何となく登録してみましたが、古ーい日本語論文とかも全部でてきて、え?という私の実績からすると多すぎる引用数。コレならウ〇コみたいな論文とか記事載せまくって、自己引用しまくればなんちゃってIF3とかすぐ作れちゃいます…

完全に詐欺なのですが、偽IFとはいえ嘘ではない。自分で選択して自由意志で投稿しているわけなので、撤回は簡単ではなさそうです。なんせ論文を人質にとられてしまっているので、出版されでもしたら他に投稿できなくなっちゃうかも…後付けで見直すと、投稿した時点で査読料最低〇万円必要などちゃんと規定に書いてある模様。「最低」というのがミソで、事実〇倍に吊り上がったと…

対策としては
・由緒ある雑誌以外、HPにあるIFは信用しない
・というか、由緒ある雑誌以外投稿しない
・せめて名の知れた出版社にしか出さない
・投稿時は共著者にちゃんと確認をとる(オプトアウトでも)

しかありませんね。著者のはやく再投稿して楽になりたい、という心理に付けこみ、更に論文を人質にとって脅すという巧妙な手口。投稿料、審査料、掲載料、吹っ掛け放題だし、ホントよくできてます。気を付けよっと…

先刻(臨床復帰してからの)論文6号をようやくBJJに投稿できました。これまでのところ1勝11敗と悲惨な成績…で現在これで5戦進行中。何とか勝率3割に載せたいのですが全然通りません涙。論文投稿数が爆発的に増えている現状ではこんなもの?それとも投稿先がズレている?ネタがズレている?論文の構成に問題が…いずれにしろもうアラフォーで立ち止まる時間はないので、兎に角前に進んで経験を積むしかありません。

というわけで、自分の論文だけでこの2年でもう17回投稿する羽目に…それなりにノウハウも身についてきましたが、その過程でそれアカンでしょ!というものを含めたくさん失敗しています。生来ドジなので自分でもある程度諦めているのですが、少しでも減らせるようにこれまでの失敗体験をまとめておこうと思います。恥ずかしいですけど、思いつくもの全部…

【Cover letter付け忘れ】
雑誌によって「そもそも不要」「投稿時に直接入力」「Fileをup-loag」のパターンがあるようなのですが、調節入力する雑誌でCover letterはここ!みたいな案内がなくスルーしてしまいました。その場合は「コメント欄」みたいなところに入力するみたいです。

【Fileの順序間違い】
修正点に気付いて原稿をup-loadし直した際にやっちゃいました。必須Fileの順序は決められた順に自動で並ぶでしょ!という早とちりです。今は最終確認PDFで順序に違和感ないか必ずcheckしています…

【Corresponding author変更で操作不能に】
ご指導いただきつつ書いている論文の場合、メンター先生にコレスポをお願いしています。具体的には、投稿準備してcheckしていただいた後バトンタッチです。が、最終確認前の著者情報入力段階でコレスポ~を自分からメンター先生に移動してしまい、操作不能になることが複数回ありました涙。

【著者情報の間違い】
多施設研究で、面識がない先生とメールベースで相談や原稿のcheckをお願いすることがあります。その際に、名前の読み方がわからない!ことが結構あり…(ほんと日本語って難しい)。読み方教えてください!とか聞けないので、必死でWeb情報や文献情報から探して裏をとるのですが、それでも間違えたことがありました。幸い投稿前に自分で気づいて事なきを得ましたが。あと所属の英語表記とかも同一施設でもバリエーションがあり、Web調査では限界があります。ので、ご本人にメールで確認するのですが返答ないことも多く…リマインドしても返答ない場合は正しい!と考えて先に進むしかないのですが、一抹の不安が残ります。

【共著者の問題】
雑誌によっては結構著者制限があるので、共著者の資格がある方を全員共著にすることはできません。ので、貢献度順に共著者/協力者を決める必要があり。で、最初から共同研究者の先生の中から選別せざるを得ない状況に陥ってしまい…という状況下で、途中参加の先生を協力者と勝手に判断してしまい、投稿後にいや共著でしょという。これは簡単な問題じゃないので、研究開始時点で投稿先を想定しないとダメ、投稿前に関係者全員に確認しないとダメだと強く反省しております。

【引用文献記載法の間違い】
これは雑誌毎に細かく違っていてホント迷惑なのですが、何回か編集部からダメ!と差し戻されました。英語校正を出す際に、すべて「フォーマット調整」までお願いするプランにしているのですが、雑な校正者がいて結構間違っているのです。業者に文句言ったり、やり直してもらうのにも日にちがかかるので、自分で直した方が早い!と自分で直しました。投稿先は限られていますし、大分慣れたのでもう依頼は単純な文法のcheckだけにしようかなと思う今日この頃…

今後は投稿の度にこの記事を見直して、襟を正そうと思います。そしてまた間違ったら書き足していきます。さ、次の論文7-8は大きな仕事なので頑張らなくっちゃ!

お恥ずかしながら相変わらず英語力が低く、論文書くときはガッツリ校正業者に出します。どこが良いかは未だによくわからないので、今のところeditage一択。すると親会社のCACTUSからResearcher Life Ambassador(RLA)に応募しないかと誘いがきました。ざーっと確認すると、どうも英語校正が割引してもらえる!?模様。どうせ利用者全員に案内行ってるんだろな~と思いつつ、英語抄録・口演原稿・論文などで相当額手出しして結構キツイので応募してみることに。面倒臭そうならやめりゃいいし、「審査して通れば案内します」とあるので多分通らんでしょ、と軽い気持ちで簡単なフォームに入力しました。

特典はいくつかあって
 ①CVに書ける (意味あるんかな?)
 ②Editageのサービスにアクセス可 (割引は?)
 ➂研究関連のAI技術を学べる (当分要らない…)
 ④教材が利用できる (そんな時間ない…)
 ⑤AIによる原稿改善サービスの利用 (効果あるの?)
 ⑥WebinarやEventでしゃべる機会 (英語の敷居高いっス)
 ⑦Eventする際に手伝ってもらえる (ちょっと先かな)
 ⑧頑張ったらご褒美 (研究資金くれるの?)

の模様。まーあまり実利はなさそうですが、毒饅頭ではないかな?という印象。で、応募してそのまま忘れてたら数日でなんと「入会案内」が!大丈夫かなと半信半疑ながら、とりあえず入会してみました。手続きは

 Step1 SNSで入会したことを宣伝
 Step2 案内されたWebページからRLAに登録
 Step3 サービスの一つであるR(統計ソフトのRとは別)に登録
 Step4 オンライン説明会に参加(30分ちょっと)

でStep1はちょっと怪しいものの、あとは別段負担にならず。「今後盛り上げていきたいから、手伝って!お金は払わないけどサービス特典たくさんつけるし」って感じ?現時点でHost5人、Memberは私入れて38人、非英語圏の方々ばかり(中国、韓国、インド、アフリカ、南米etc)です。とりあえずチャットで引き気味に挨拶して幽霊部員的に様子みることにしました。割引とかしてもらえそうなら続けてみようと思います。

臨床を離れて臨床研究を学んで2年、臨床に復帰して研究との両立に四苦八苦しながらもう2年。もう40を過ぎて久しいですし、そろそろ実績も出していかないと前に進めません。これまでにようやく論文6号が完成しつつあり、7号に着手しています。研究者冥利に尽きますが、解析まで終わってあとは書くだけの研究が4件、データがあって次解析の研究が3件、データ到着待ちの研究が1件あります(自分がメインじゃないものは除いて)。現在5号まで投稿し、それぞれ経過は

 1号 JBJS→OAC→CORR→Spine J→Spineにaccept
 2号 Spine→ESJで査読中
 3号 BJJ→Spine J→Spine→JNS-Spine→ESJで査読中
 4号 ESJ→GSJで査読中
 5号 BJJで査読中

で、1勝10敗4分といったとこでしょうか?3本目では通したい、とよく聞くので大分苦戦…いろいろ論文読んできましたが、方法論がめちゃくちゃな論文が全然Publishされています。ので、方法論ちゃんとすれば常勝だ!と思っていた自分が楽観的すぎました涙。ネタがズレてるのか、論文構成が甘いのか…トンデモ査読を恨む前に、まず自分にベクトル向けないと…と思う今日この頃です。

さて、成績はさておきそれなりに論文書いて、論文執筆はパズルだなと感じるようになりました。デザインしっかりやったら、あとはパーツをいくつか作って組み合わせるだけというか、創作というより単純作業というか…まだ大分しんどいですけど。某高名な臨床研究家が「論文5本自分で書いたらちょっと世界がかわる」とおっしゃっていたのはこの感覚なんでしょうか(結果が伴っていないので、大分改善しないといけない点はあるだろうことはさておき)。具体的な流れとしては

①元のデザインに忠実に、Methodsのパーツを作る
Study Population
Data collection
Definition of Exposures
Definition of Outcomes
Statistical analysis
②パーツを組み合わせてMethodsを完成
③Statistical analysisに1:1対応したResultsを作る
④Introの各パーツを作る
Epidemiological information
Background
What we know
What we don't know
Aim
⑤Discussionの基本パーツ作る
Brief summary
Implication
Strength and Limitation
⑥Discussionの追加パーツ作る *論文によって取捨選択
Explanation of results
Comparison with previous studies
Possible mechanisms
⑦⑤⑥のパーツを並べてDiscussionを完成
⑧Conclusionを作る
⑨①~⑧から抜粋してAbstractを作る
⑩Titleを作る

といった感じです。臨床しながらだとどうしても夜とか日曜祭日の時間使わないとできませんが、頑張れば①~➂で1週、④~⑦で2~3週、⑧~⑩は1日でできるので、1ヶ月くらいで原稿が完成する感じ?あとは共著先生に回覧したり、大学院絡みであればメンター先生方にアドバイス頂いたり、その後英語校正かけて投稿準備したりで、投稿までには早くてもう2週間くらいはかかりますが。

この計算だと今進行中の研究が終わるのは頑張って来年末…10本書いたら次の世界が見えて更にスピードが上がることに期待しつつ、先の見えない単純作業(苦行)を続けていきます。さ、気分転換に新居探しでもいってこよっと!夜は7号のお手本論文探しです。

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